ベルナールスリエ症候群

症状

月経過多に起因する鉄欠乏性貧血が女性に見られます。また幼児から紫斑及び鼻出血を招きます。血小板粘着の度合いが落ちることから、出血もなかなか止まらなくなります。検査では血小板数の低下と、ケースによっては巨大血小板が出現します。更にリストセチン凝集の欠損が、血小板凝集試験で確認されます。

原因

先天性血小板異常症であり、かつてベルナール及びスリエによって記録されたものであり、そこからベルナールスリエ症候群(べるなーるすりえしょうこうぐん)と呼ばれるようになりました。出血が長引くことと巨大血小板を随伴させた血小板減少症を呈します。あまり見られない病気であり、常染色体劣性遺伝します。原因は遺伝子異常であり、血小板における粘着反応に支障を招きます。これはGPIb及びIX複合体の質若しくは量的異常に起因するものであり、血管内皮組織において見られるvWFの結合障害から引き起こされます。尚、血小板表面における抗原量の欠如を認めることで確定診断となります。

治療法

軽い症例ではその出血に対して静脈内投与で酢酸デスモプレッシン(DDAVP)が用いられることがあります。血小板輸血は、外科的措置を要する場合や出血傾向が高度であれば適用されます。見通しは良好であり、出血が重症化するケースはあまり見られません。