血球貪食症候群

症状

肝腫、脾腫、リンパ節腫脹、継続する高熱などを出現させます。また肝機能障害や低フィブリノーゲン血症、高トリグリセリド血症、高ビリルビン血症、血球数低下なども見られます。更に血液検査では可溶性IL-2受容体α鎖、フェリチン、LDHの上昇も示されます。その他、血球貪食像をリンパ節、脾臓、骨髄にて確認されます。

原因

あまり見られない病気ですが、組織球増殖症及び血球貪食性リンパ症とも呼ばれます。血球貪食症候群(けっきゅうどんしょくしょうこうぐん)は、マクロファージが血球を貪食することが原因であり、これはウイルスや細菌の感染症、白血病や悪性リンパ腫といった悪性腫瘍に起因して異常なサイトカイン生成が引き起こされるためで、このサイトカインがマクロファージを活性化するために貪食を引き起こします。リンパ腫関連血球貪食症候群は悪性リンパ腫に起因して生じる血球貪食症候群を言います。本疾患の原因は原発性と反応性に大別されており、前者は家族性血球貪食性組織球症が原因となります。後者では、白血病や固形癌、悪性リンパ腫など悪性腫瘍に起因するもの、ウイルスや原虫、細菌、真菌に起因するもの、全身性エリテマトーデスなど膠原病由来のものがあります。またアルコールや薬物、免疫不全などによっても引き起こされます。本疾患を招くウイルスではEBウイルスの他、サイトメガロウイルスなどがあります。

治療法

元となる病気を治療することが重要であり、それと共に対症療法が実施されます。リンパ腫関連血球貪食症候群においては造血幹細胞移植やより強い化学療法が求められるケースが多いとされます。尚、ウイルスに起因するものでは通常、抗癌薬は適用されません。しかしEBウイルスに関しては用いられることがあります。