血小板無力症

症状

手術や抜歯などで止血に異常が出現し、これによって見つかるケースがあります。女性においては鉄欠乏性貧血を出現させ、これは月経過多などによります。また紫斑及び鼻出血といった症状が幼児期から見られます。血小板に異常がないにも関わらず出血が長引き、血小板粘着率の減少が見られます。

原因

GPIIb及びIIIa複合体遺伝子が正常でないため、血小板血栓におけるその産生に支障をきたすことが原因となります。またGPIIb及びIIIa複合体は、血小板の粘着そして凝集するときに、その分子内にRGD配列を持つ接着蛋白のフィブリノーゲン及びvWFの受容体になって同じ接着反応を仲立ちします。血小板無力症(けっしょうばんむりょくしょう)は先天性血小板異常症です。リストセチン以外その多くがアゴニストに起因する血小板凝集欠損であり、これを仲介するGPIIb及びIIIa複合体の先天性に原因する質及び量的障害により、血小板の血栓生成が阻害されます。本疾患は常染色体劣性遺伝します。

治療法

出血症状が高度であれば血小板輸血が行われます。また外科的措置を要するケースでも同様になります。通常、対症療法によって治療が行われます。本疾患の見通しは良好であり、特に思春期及び青年期を経過するに伴って軽快を示すケースが多いとされます。尚、血小板表層におけるGPIIb及びIIIa複合体抗原量の欠如をフローサイトメータで認めることによって診断は確定されます。