メープルシロップ尿症

症状

メープルシロップ尿症(めーぷるしろっぷにょうしょう)では生後まもなく代謝性ケトアシドーシス発作を引き起こします。これは酸性に体が傾くもので、痙攣や知能低下、延いては意識障害などを示します。また発症年齢も幅広くなっており、乳児期から成人に至るまでとなっています。多くは生後一週間以内に傾眠、哺乳困難、無呼吸、昏睡といった症状を示します。ただし、メープルシロップ様の尿は乳児期において出現しないこともあります。放置すると、精神運動の発達は高度に遅滞を示し、さらには痙攣発作や筋緊張亢進、意識障害などを急激に示し悪くなっていきます。尚、本症では中間型や間欠型といったものもあり、前者は急に症状を出現させないタイプであり、後者は蛋白質など特定の誘引因子によって引き起こされ、その条件外では症状を示さないものとなります。その他、大半において低血糖も併発します。

原因

バリン、イソロイシン、ロイシンは分岐鎖アミノ酸ですが、これらの代謝の異常が原因となります。いずれも尿中及び血中において明らかに高値を示します。分岐鎖アミノ酸に起因するケト酸の脱炭酸酵素の異常のための病気となります。診断は脱炭酸酵素活性測定及びロイシン値上昇確認がが血中アミノ酸分析にて行われます。本症はメープルシロップ様の匂いが尿から放たれるために名づけられた名称となります。

治療法

分岐鎖アミノ酸食を制限する食事療法が行われます。またビタミンB1の摂取にも有効性が示唆されている報告例が存在しています。尚、なるべく早く新生児期において診断し、確定させることが推奨されています。治療の開始にあたっては血中アミノ酸量を測定しながら行います。