小脳梗塞

症状

小脳梗塞(しょうのうこうそく)では頭痛や吐き気、それに伴う嘔吐、そして回転性眩暈や歩行困難といった症状を出現させます。また橋、延髄、中脳といった脳幹の症状を伴う意識障害や構音障害、感覚障害、さらには眼振や複視といった症状も示します。診断では拡散強調画像或はDWIと呼ばれる方法でMRI検査が薦められています。これは初期の段階から白く病巣が映し出されるためであり、CT検査では見落とすことが多いと言われています。その他、MR血管造影にて血管状況を精査し適切な治療法が選択されます。

原因

先天的に細い椎骨動脈において生じやすい疾患であり、その他、外傷に起因して血管が詰まることでも発生します。若年層にも多く認められ、小脳出血より小脳梗塞の方が発生頻度も高くなっています。また塞栓症でも惹起します。尚、椎骨動脈は左右にあり、先天性に起因するものではその内、細い椎骨動脈にて小脳梗塞を発生しやすくなっています。

治療法

脳梗塞に起因するものではエダラボンまたはt-PAの投与による治療方法がとられます。脳血栓に起因するものは脳浮腫を防ぐ目的でグリセオールが適用されると共にアルガトロバン及びオザグレルナトリウムといった薬剤が併用されます。予防では原因を特定してそれを治療し、水分を不足なく摂取してタバコを控えることが重要です。尚、小脳梗塞においては回復も早いことから見通しも良く、後遺症を残存させない傾向にあります。