過敏性腸症候群

症状

過敏性腸症候群(かびんせいちょうしょうこうぐん)では腹部における不快感や腹痛、或いは膨満感などを引き起こします。更に便秘と下痢を何度も繰り返す症状を示すこともあります。女性では二十歳以降に見られて、男性では中年前後の年齢層に多くなっています。七十歳以降では社会的環境も変化し本症は減少傾向にあります。尚、便通異常の形態により、便秘及び下痢の交替型と便秘型、下痢型に分類されています。

原因

腫瘍及び炎症といった病変が腸管内において確認できないのに、腸管において異常運動を引き起こした病態を言います。これは精神的なストレスなどが主な原因となっています。特に原因とする疾患がないにも関わらず下痢や便秘といった症状を示し、どれだけ検査しても腸内において何も異常が認められません。

治療法

まず腸管内検査を実施し、運動異常を惹起する病変が存在しないことが確認されます。その上で患者は腸管内に病変が見られないこと及び心理的或いは精神的要因が原因になっていることを自覚します。そのため、元となっている精神的或いは心理的原因を除去する治療法が重要になってきます。ただ現実的には難しい面を孕んでいるため、なかなか治癒に至りませんが、これが可能であれば根本的な治療方法へつながります。またケースによっては精神科などでカウンセリングを受けることもあります。