有機塩素剤中毒

症状

軽ければ吐き気や眩暈、頭痛、倦怠感を生じ、中等度であれば筋肉の一部に痙攣が見られたり、知覚異常、不安、興奮などを示します。有機塩素剤中毒(ゆうきえんそざいちゅうどく)が重症化したケースでは肺水腫や強直性痙攣、意識喪失などを見ます。また、吸入から喘息様発作を招いたり、結膜炎、皮膚炎なども見られます。これは限局性の刺激を有機塩素剤が有するためですが、主な症状は中枢神経の刺激作用となります。慢性化したものでは初期段階で全身倦怠感を呈し、更に嘔吐や悪心、頭痛などを生じます。そのまま悪化すると痙攣発作や意識喪失などが一過性に出現することもあります。

原因

ベンゾエピンやケルセンといったものが殺虫剤に用いられ、PCNB、TPN、キャプタンといったものが殺菌剤として利用されています。エンドリンやBHC、DDTといったものは環境汚染の拡大から販売が停止され、農薬登録も末梢されるに至っています。持続して晒されることによって慢性若しくは亜急性中毒を招きます。また、腎臓や肝臓、中枢神経系に蓄積されますが、これは代謝がほぼ行われず、脂肪組織に溜まってしまうためです。つまり肝臓や中枢神経系には脂肪組織が豊富に存在するためで、これによって障害を生じます。

治療法

痙攣に対しては鎮痙薬が用いられます。通常、活性炭や下剤が用いられ、胃洗浄を行います。即効性の薬は存在せず、腎臓及び肝臓の働きを保護することが重要となります。尚、油性の下剤は悪化するため用いられません。また脂肪を含有する食品、例えば牛乳などの摂取は避けます。