濾胞性歯嚢胞

症状

大抵、ある程度大きくなってから見つかるため、あまり初期では症状を示しません。出現した場合、周りの歯の存在する場所が正常ではなくなり、外部から触れると骨の肥大が分かるようになります。また、歯の生え方も異常になり、場合によっては多発性に出現します。更に全身性疾患である基底細胞母斑症候群の症状として現れることもあります。好発部位は、下顎の知歯、つまり親知らずや上顎の前歯部などとなります。十五歳前後の若者層で多発する傾向にあります。

原因

いわゆる埋伏歯のことで、顎骨内から生えてこず、埋まったままの状態が原因となります。このため、埋伏歯の周囲には袋が発生してしまい、これを濾胞性歯嚢胞(ろほうせいしのうほう)或いは歯原性角化嚢胞(しげんせいかくかのうほう)若しくは原始性嚢胞(げんしせいのうほう)と言います。歯の形成以前に袋が発生し、歯質が存在していないケースも認められます。

治療法

袋の完全摘出の他、開窓療法などが行われます。前者は袋をすべて摘出する手術であり、後者は袋の一部を切開し、骨の治癒を促す目的で行われます。多胞性はこの袋がたくさん発生させた場合を言い、これとともに多発性のケースでは再燃することが多いと言われています。このため、治療も繰り返して実施される傾向にあります。