尿細管間質性腎炎

症状

薬剤の副作用で現れる症状では、湿疹、関節痛、発熱、腎臓の腫れに起因する腰背部の両側の痛み、乏尿といったものがあります。急性と慢性のものがあり、急性の尿細管間質性腎炎(にょうさいかんかんしつせいじんえん)では排尿痛、腰部及び側腹部の痛み、発熱、尿中の膿といった症状が現れる場合もあります。慢性では、疲労感、嘔吐、吐き気、食欲不振、呼吸困難、痒みなどとなります。尚、これらは症状が現れた場合であって、ケースによってはほとんど症状が見られないこともあります。

原因

多くが、薬剤の利用から引き起こされる副作用が原因となっていて、特に抗生物質であるペニシリン系及びセファロスポリン系のものが多いとされます。また非ステロイド系の消炎鎮痛薬の利用によっても引き起こされます。その他、膠原病との合併症に起因するものや急性腎盂腎炎といった感染症に起因するものもあります。尚、慢性尿細管間質性腎炎では慢性腎盂腎炎が原因となっているケースが多く、日本ではあまり見られない症例です。慢性の場合、原因となっている病気の治療が主軸であり、その他の治療法はないとされています。徐々に悪化していき、最終的には末期腎不全に陥るケースが多いと言われています。

治療法

薬剤が元となる原因になっている場合はその薬剤の利用を停止します。原因となっている病気の治療を行えば、ほとんどの場合、腎機能は回復すると言われています。ただし腎臓の繊維化はある程度現れます。腎機能低下が進行して腎不全を引き起こしたケースでは透析も必要となり、場合によっては慢性化した腎不全に進行してしまう場合もあります。原因となっているものがアレルギー反応であれば、ステロイド薬の利用で腎機能の回復も促進されます。緩やかに炎症を惹起したケースでは、腎臓のあちこちで障害が現れ、その損傷速度もバラバラで進行していきます。遠位曲尿細管が障害を受けると多尿傾向になり尿を濃縮させる作用が低下します。多くはそのまま悪化し、腎臓全体に障害が拡大します。こうなると腎移植か透析による治療法になります。近位曲尿細管が障害を受けると低尿酸血症、低カリウム血症、低リン酸血症、代謝性アシドーシスといった症状が現れ、これらは腎臓において尿酸、カリウム、リン酸塩、重炭酸イオン、ナトリウムの再吸収がうまく行われなくなるためです。