バセドウ病

症状

発汗や暑さへの耐性が弱まりますが、これは甲状腺ホルモンの過剰分泌から安静時にも運動時と同様の代謝が促されることに起因します。消費カロリーが過剰になるため、水分摂取量も食欲も増加しますが、体重は減っていきます。また脈拍もスピードが上昇し、動悸や不整脈などを引き起こします。これは興奮状態を招いた交感神経のためであって、老齢者では心不全症状を呈することもあります。その他、手の震えや筋力低下などを示すことがあります。更に男性では少ないケースで周期性四肢麻痺が見られます。

原因

遺伝と環境が関与しているものと考えられています。誘因としては外傷や過労、心労、出産などがあげられます。日本では男性より女性に多い疾患であり、発症年齢は若年層に多くなっています。バセドウ病(ばせどうびょう)は甲状腺機能亢進症の一つであり、TSH受容体への抗体が原因となります。この受容体は甲状腺細胞に存在する物質であり、これが自己抗体と結合することで甲状腺を刺激します。これによって甲状腺ホルモンが過剰に合成、分泌され、機能亢進症を招きます。また、甲状腺ホルモンが増えることによってTSH分泌が抑えられ、血液内に含まれるTSHはほとんどなくなります。

治療法

内科的治療では抗甲状腺薬が用いられますが、治療は長期に渡って行われ、再発率も高くなります。また薬疹などの副作用も見られます。外科的治療では甲状腺ホルモンの濃度を適正範囲に抑えるため、甲状腺を一部切除します。放射線治療ではヨードを服用して、その放射線を用いて甲状腺組織を壊します。しかし甲状腺機能低下症を招くこともあり、こうなると生涯に渡って甲状腺ホルモンを必要とします。