糖尿病性ケトアシドーシス

症状

口渇、脱水に随伴する多尿、体重や血圧の低下、そしてクスマル呼吸といった代謝性アシドーシスに随伴するものや呼気アセトン臭などケトーシスに随伴する症状を呈します。また嘔吐や腹痛など急性腹症様の状態を引き起こすこともあります。本疾患は感染症を誘因とするケースが多いものの、発熱は見られず適正範囲か低体温となります。ただし、脱水が軽快した際に熱の上昇を見ることがあります。

原因

脱水や拮抗ホルモン値の上昇、インスリン欠乏の関わりが指摘されており、ケトーシス、アシドーシス、高血糖より構成される症候群となります。糖尿病を発症し、これに心筋梗塞や感染症を合わせて発症、或は一型糖尿病発症の際、若しくはインスリ療法の中止などから糖尿病性ケトアシドーシス(とうにょうびょうせいけとあしどーしす)を発病します。また重症化したケースではカテコールアミン、コチゾール、グルカゴン、成長ホルモンといった拮抗ホルモンの度合いが高まり、これが改善を示す際には適正範囲に収まるとされます。

治療法

インスリン投与がすぐに行われます。また電解質補充や輸血なども実施されます。若年層では脳浮腫に起因して死亡する例が多くなっていますが、一般的には心血管系の合併症や敗血症による死亡原因が多いと言われています。また脳梗塞や心筋梗塞などは極端な脱水によって凝固系が促されることで招きます。尚、アシドーシスを引き起こす病気などとの識別を要します。