胸水貯留

症状

胸水貯留(きょうすいちょりゅう)の初期段階では胸の痛みが生じます。これは咳などに起因して悪化しますが、多くは一時的なものです。この状態から更に悪化して胸水が増えると呼吸困難を出現させます。また咳や胸痛も悪化していきます。ただし、細菌に起因する胸膜炎においては微量の胸水が発生するだけで、咳及び胸痛を出現させるケースが多いと言われています。

原因

露出性及び滲出性に分けられ、胸腔内において液体が貯留するものを指しています。これは様々な原因疾患に由来するものであり、生成と吸収の不釣合いから生じるものです。壁側胸膜にて生成された胸水の多くは通常、その大部分が再吸収されます。

治療法

感染を原因とするものでは化学療法薬の投与による治療方法がとられます。その際、炎症を引き起こしている原因菌の種類や経過によって違いがあります。しかし、炎症の範囲を縮小させると共に胸腔内を無菌状態にする目的で、それに適した治療薬が用いられます。また、胸水貯留を引き起こしている疾患があれば、それを治療します。尚、白血病や小細胞肺癌、乳癌、リンパ腫などが元となる病気である場合、全身化学療法によって長期間に渡る生存が可能とされていますが、一般に癌性胸水のケースでは余命も短く症状の軽減を目標にした治療法になってしまいます。