皮膚線維腫

症状

色素沈着を表面皮膚に呈する皮内結節であり、ちょうどボタンを皮膚の表層に挿入したような外観を出現させます。多発するケースも稀に認められますが、多くは単発性となります。また圧痛を随伴させることもあります。尚、増殖の程度はそれぞれであるものの、その種類には組織球、線維芽細胞、膠原線維などがあります。これらは真皮より皮下に至る範囲に生じます。膠原線維の間において線維芽細胞が散在するものをfibrous typeと呼んでいます。一方、cellular typeは柔軟性があり比較的赤っぽくなっています。中心となる増殖は組織球となります。

原因

小さな傷から結合組織要素が増殖して、皮膚線維腫(ひふせんいしゅ)が発生すると言われています。反応性に増殖することから腫瘍との見方もあります。一定の大きさに発育すると変化を示さず、その発育も緩徐になります。時に巨大型のものが下腿に見られることもありますが、良性となります。

治療法

本疾患は悪性化することがない上に、自覚症状があまり示されません。このため、悪性腫瘍が否定されると無治療となる場合もあります。治療する際は、外科的に切除することになります。尚、鑑別を必要とする疾患では青色母斑、ホクロ、隆起性皮膚線維肉腫、黄色腫などがあげられます。また、悪性黒色腫も重要であり、特に成長が早かったり、黒色が濃厚であれば、鑑別が行われることもあります。