多形滲出性紅斑

症状

小紅斑が左右対称性且つ四肢伸側に出現し、前駆症状として熱の上昇や関節痛、頭痛、疲れなどを生じることもあります。多形滲出性紅斑(たけいしんしゅつせいこうはん)は米粒ほどの大きさの浮腫性紅斑を円形に形成します。境目はハッキリしており、辺縁では若干盛り上がり、遠心性に広がっていきます。真ん中部分は少しへこんでおり、淡い色調を呈します。多形で新しいものと古いものが混合し、しばしば水疱或いは滲出若しくは出血性を示します。丘疹型は紅斑が見られず、幾つもの充実性丘疹が出現するタイプです。また真ん中部分の色が薄くなって辺縁だけを残存させる環状紅斑が出現することもあり、更にこれらが結合して蛇行状を形成する場合もあります。本疾患は男性に少なく、春と夏に出現する傾向があります。

原因

感染及び薬剤過敏症、ウイルス、膠原病、内臓悪性腫瘍などが原因となります。感染ではマイコプラズマ、リケッチア、クラミジア、ヒストプラスマ、溶連菌などが原因菌となります。薬剤では抗結核薬やペニシリン、サルファ剤、ピリン、ワクチン、抗腫瘍薬、バルビタール、精神安定剤、血清などが原因となります。ウイルスでは大抵単純ヘルペスとなりますが、少ないケースではB型及びC型肝炎ウイルス、EBウイルス、サイトメガロウイルスに起因することがあります。その他、食物なども原因になることがあります。多形滲出性紅斑では個々の病態によって、その原因となる病気を探索することが欠かせません。

治療法

個々の病気の原因に応じて治療します。薬が原因であれば、それを回避し、ウイルスや菌などが原因であれば抗生物質を用います。また、外用でステロイド薬を塗布したり、抗ヒスタミンや抗アレルギー薬が使われます。病状が高度であれば、全身にステロイドを投与することもあります。