ヘモクロマトーシス

症状

大半で糖尿病を認め、しかもインスリン依存性のものが多くなっています。悪化すると全身倦怠感や喉の渇き、体重減少が示され、さらに体毛脱落、性の機能低下なども見られます。また皮膚における色素沈着、特に口唇や鼠径部、腋窩部、外陰部などに多く見られます。大半で、肝障害、肝腫大が認められ、肝障害の進行から肝硬変若しくは線維増生を示すこともあります。合併症として肝癌を生じる進行例も存在します。心不全は両側において生じることが多く、瀰漫性の心筋障害を示します。不整脈の他、若年層では突如として心不全を招き、死に至るケースもあります。

原因

肝臓をはじめ、腎臓や膵臓、副腎、心臓、皮膚などにおいて鉄が沈着する疾患です。これによって肝硬変や糖尿病、心不全、糖尿病などを出現させる症候群であり、各種臓器に障害をもらたらします。原発性と続発性に分けられており、前者は遺伝的要素によって鉄の過剰吸収が腸管から行われる病態を言います。しかし、遺伝との関連性が分からないことも多いとされます。後者は原因がハッキリしていて、それによって鉄の過剰吸収が行われる病態を指します。ヘモクロマトーシスの遺伝性に起因するものは常染色体劣性遺伝からなります。続発性、若しくは二次性のへもくろまとーしすでは血液疾患または肝疾患に随伴するもの、鉄過剰摂取、大量の輸血などが原因となります。血液疾患では悪性貧血や骨髄異形成症候群、遺伝性溶血性貧血、サラセミア、鉄芽球性貧血などが該当します。肝疾患では門脈下大静脈吻合術の後やアルコール性肝炎などが該当します。

治療法

初期段階では瀉血が実施されます。経過を見て瀉血量も減らしていきますが、治療には長期間を要します。しかし、心臓或は肝臓において重度の障害が見られたり、貧血を認める場合には瀉血による治療方法を選択できないこともあります。瀉血療法を行えないケースではデスフェリオキサミンと言われる薬剤の注射を実施しますが、あまり期待できる作用は認められていません。本疾患では障害を引き起こしている原因である鉄を取り除くための治療が中心となります。