インスリノーマ

症状

糖尿病はインスリン不足が原因となりますが、インスリノーマでは反対に大量のインスリンが分泌されてしまいます。こうなると極端に血中のインスリン濃度が上昇し、低血糖を招きます。またお腹がすくと癲癇様発作を引き起こし、意識喪失を生じます。次第に痙攣や昏睡、視力障害などを招きやすくなり、神経系の後遺症を生じます。尚、インスリノーマを発症すると、発作を防ぐために食事をする回数が増加します。このため肥満傾向が生じます。

原因

インスリンを膵臓のランゲルハンス島に発生した腫瘍が産生し、これによって低血糖を招く病態を言います。通常、膵臓のベータ細胞から分泌されるインスリンは、血糖値に対応して適切量が分泌されています。しかし腫瘍からは異常なインスリン分泌が行われ、血糖値が下がっていきます。こうなると振戦や発汗、動悸、頻脈といった交感神経刺激症状や健忘症、片麻痺、意識消失、異常行動、頭痛、言語障害、複視といった中枢神経症状を呈します。

治療法

基本的に腫瘍を摘出する手術が行われます。他の内分泌腫瘍に比較するとインスリノーマは治癒しやすい傾向にあります。切除できないケースでは低血糖発作を防ぐためにサンドスタチンなどが適用されます。尚、低血糖には通常、糖分の経口投与が行われます。また意識障害が見られるケースではグルコース液が用いられます。