肝硬変

症状

代償性と非代償性に分類され、前者では無症状のことが多く、硬化した肝臓に触れるのみとなります。検査をしても正常とされる症例が多いと言われています。後者は初期段階で上腹部の張りや食欲不振、嘔吐、下痢、便秘といった症状を示します。また脾臓の腫れと共に肝臓の硬化が触れて確認できます。その他、くも状血管腫や女性化乳房、手掌紅斑などが見られることもあります。

原因

栄養不足、アルコール、肝炎ウイルスなどが原因となります。日本ではこのうち多くがウイルス由来のものとなります。肝硬変(かんこうへん)は肝臓表面部に疣状の結節が大小不揃いで発生し、発症から一定期間まで肥大化します。末期に進行すると、今度は逆に縮小する傾向にあります。また薬物中毒、ウイルソン病、ヘモクロマトージス、バンチ症候群、心臓病などに起因して発症することもあります。

治療法

禁酒をしますが、肝硬変を引き起こす原因を取り除くことが基本となります。しかし現状では禁酒を除いて広く知られている原因を取り除く治療方法はありません。そのため、食事療法や薬物療法、安静が中心の治療法となります。一般に代償性の肝硬変は慢性肝炎の治療法に準じます。食事療法、運動制限、安静が中心となります。非代償性では慢性中毒を引き起こしている要因を全部避けるようにします。また禁酒、安静が重要であり、出現した症状の程度によっては臥床します。腹水や浮腫などに対しては塩分の摂取制限、水分制限、安静によって対処しますが、軽快しない場合は利尿薬が用いられます。それでも改善が見られないケースでは腹水穿刺を実施することもあります。