内傷・七情・不内外因

臓腑の損傷は体内から発生することもあります。内傷(ないしょう)とはこういった疾患を意味します。心の変化によるものは内因と呼ばれ、内傷の一種です。例えば、気分が沈みこんで胃が痛くなるといった体験は誰にでもあるものですが、こういった病気も内傷の一つと考えられます。

七情(しちじょう)は喜・怒・悲・憂・恐・驚・思のことです。喜は心の気の緩み、怒は気が上がり、血が逆流します。悲は気が衰え、憂も意気消沈します。恐は気が下り、驚は混乱して気が乱れます。思は気の流れが滞ります。通常、喜んだり怒ったりすることで疾患を引き起こすことはありませんが、これらの七情が極端になると病気を招きます。例えば憂の状態が長期間持続すると疾病を招くであろうし、怒りすぎたり過剰な嘆きは感情の変化が強く、疾患を引き起こします。

不内外因は内因と外因の両方に属しませんが、内傷に分類されています。於血(おけつ)、飲食失節(いんしょくしっせつ)、労逸(ろういつ)、怪我などがこれに該当します。飲食失節は偏った食事や暴飲暴食などのことで、労逸は過労や休みすぎ、過剰な動作などを指します。いずれも病気を招く原因となりえます。