脳機能の発達が異なる

定型発達とは社会性や言葉の発達が生活をする上で問題がない程度の水準に位置し、知的障害を認めない人に対して使われる言葉です。一方、自閉症では脳機能の発達が定型発達の子供と異なることが解明されています。以前、親の教育態度やその愛情関係の構築に問題があるとして捉えられていた時期もありますが、現在、こういった後天的理由は関係ないものと考えられています。

とはいえ、自閉症そのものの原因はハッキリ分かっておらず、脳のどの部位が定型発達の子と異なるのか明確にされていません。しかし、側頭葉や前頭前野、扁桃体など認知や感情を制御する箇所の機能変化に自閉症との関与が指摘されています。というのは、自閉症の子供のこれらの部位に特徴的な脳波や血流の変化が発見されているからです。

ところで遺伝子との関係を指摘されている自閉症ですが、ここでいう遺伝子の関与は受精卵時に既に遺伝子変異を認めるケースですので、胎内での成長プロセスにおける外的要因ではありません。いわゆる遺伝子病です。また関与する遺伝子の数も一つではなく、複数が関与していると推測されています。
その他、自閉症では癲癇発作を併存させるケースが高くなっています。この癲癇は大脳神経細胞に流れる電気のリズムが乱れるために生じるもので、慢性的に再発する性質を有します。