薬の種類

食べ物による影響

食べた時間やその量により異なりますが、日ごろ食べている食品には、薬の作用へ影響を及ぼすものがあります。大抵、利用した数十分前後に何らかの支障が出現するようです。一般に人間の体に良いと考えられる食べ物では、納豆やグレープフルーツ、牛乳といったものが挙げられます。これは何も日常摂取する食べ物に限らず、食品と呼ばれているサプリメント若しくは栄養健康食品でも同じです。しかし、これらの食品に含有される成分によって、或いは薬の種類により、其の効用を高めたり低下させたりといったことがあると考えられます。また、ビタミン類やミネラル類にも同じことが言え、中でもビタミンKやワルファリンカリウムなど同様の抗血栓機能を持つものが知られています。

薬が効能を示す過程

体の中で取り込まれて、それが血液を介し、全身に運ばれ、代謝、排出という経過を辿るのが薬です。最初に体内へ取り込まれる際、薬の内服を行う訳ですが、胃に入ると溶解し、ほとんどが小腸粘膜から血管内へ移動します。そして門脈を経由し、肝臓へ取り込まれ、そこで分解しきれなかったものは心臓へ送られ、全身に行き渡ります。その際、目標とする箇所に到達した薬はそこで働きかけ、其の後血液を介し、肝臓へ戻り処理される訳です。分解が終わると尿及び便中に含まれ排出されることになります。

働き方

薬の種類は、受容体に結合、生化学的反応、細胞そのものに影響を及ぼす型などに分類されます。受容体はレセプターと呼ばれているもので、薬はこれとの結合から治療の効果を発揮します。生化学的反応は、制酸剤等が代表的で、反応により胃酸を中和させます。細胞其のものに機能するものでは、ビタミンA、D、Eなどが挙げられ、いずれも細胞へ直接影響を与えます。尚、受容体に機能する型では、作用剤と拮抗剤があります。前者は、もともと結合すべき化学物質の代わりに結びつくもので、その物質と同じような働きを持っている薬を言います。後者も、もともと結合すべき化学物質の代わりに結合しますが、前者のような代替用ではなく、結合という結果から其の化学物質の作用を阻害する薬を指します。

対症療法

病気を背景に招かれるさまざまな症状を緩和させる目的で行われるもので、サポート的な機能を担います。薬のタイプでは抗痙攣剤や解熱鎮痛剤等が代表的です。

原因療法

対症療法とは異なり、欠如した身体の働きを埋めたり、原因そのものを除去させる目的で行われます。例えば、抗生物質などの薬の種類がこれに該当します。この場合、細菌へ直接作用し、攻撃し、其の効果を示します。

DDSとは?

ドラックデリバリーシステムのことで、最近注目を寄せている投与の仕組みです。これは、吸収改善型、標的指向型、放出制御型といった薬の種類に分類されます。吸収改善型は、鎮痛剤の一部や抗炎症剤等が代表例で、化学構造を変化させて吸収率を高めたり、変化から作用を発生させるものです。標的指向型は、悪性腫瘍などを対象としたものであり、薬をある限られた箇所に於いて働きかけさせようとするものです。放出制御型は、働きかける時間と濃度が安全と予測できる範囲内に収まるよう、其れを調整しようと考えられたものです。

新薬が開発されるには

まず、化学物質から医薬品として成り立つ薬のタイプを発見します。これにはバイオテクノロジーが用いられ、それによって合成や抽出等が行われ、的が絞られます。次に、薬として使えるものと使えないものを分類する目的で動物実験を行い、スクリーニングが実施されます。ここで得られた結果を使用し、生体へどういった影響を加え、働きかけるのか、その効果や仕組みを前臨床試験若しくは薬効試験によって検討します。そこで安全性確保のため、DNAへ及ぼす影響や、有毒性、催奇形性、発癌性、有害性などの検討を実施します。また、それぞれの薬の型が身体の中でどういった代謝を行い、吸収し、排泄されるのかを検討し、分布がどうなっているかを体内薬物動態試験により、調査します。最終的に臨床試験として三段階に分けた調査が行われます。第一相試験では健康な人に対して薬を投与し、其の際、体の中での動態と体にとっての安全性を検証します。この場合、少人数を対象に薬を摂取させます。次に、体にどういった効果があるのか、体にとって安全なのか、使い方や適切と思われる量を調べます。こちらも少人数であり、同意を得た人を対象に実施します。最後にそれぞれの薬のタイプをプラセボ試験から薬として本当に役立つのか、その評価を行います。対象は多人数であり、同意を得た人に限り、行われます。このような経過を辿って、製剤会社が薬の候補を商品化しようと思えば、国に申請を行う必要があります。其の際、厳格な審査が実施され、それをパスすれば国から承認を得ることができます。其の後、薬用に販売となりますが、再審査もあります。こちらは新しい製品を対象にした副作用や相互作用などの追跡調査の報告義務であり、はじめて製造販売されてから六年間に渡って行われる義務です。尚、プラセボとは偽薬のことを意味し、このテストでは薬としての効能がないものを投与した場合と、薬用として効用のあるものを投与した場合とで効果の度合いを調べます。