5-FU

同様の製品

ベントン、ルナポン、カルゾナール、ルナコールDS。

一般名

フルオロウラシル

「5-FU」の概要

DNAとRNA合成に欠かせない塩基性分ピリミジンと拮抗して癌の増殖を抑制します。これは異常のない細胞に比較すると腫瘍細胞が極端に細胞分裂をするからで、増殖が早くなってDNAとRNAの必要量が増えるからです。5-FUは代謝拮抗薬であり、ピリミジン結構性の抗腫瘍剤です。細胞の核酸合成に欠かせない成分と類似の構造を有し、これを利用して癌に取り込ませ、誤認させます。すると、癌細胞は核酸代謝が不能となり、その増殖が阻害されることになります。

効能・効果

結腸癌、子宮頸ガン、胃癌、直腸癌、乳癌。基底細胞ガン、皮膚転移ガン、パジェット病、老人性角化腫、悪性リンパ腫皮膚転移、有棘細胞ガン、皮膚付属器がん、皮膚細網症、ボーエン病、放射線角化腫、紅色肥厚症といった皮膚がん。

副作用

腸炎、白質脳症、脱水症状、うっ血性心不全、骨髄抑制、味覚脱失、消化性潰瘍、高度な口内炎、間質性肺炎、黄疸、安静狭心症、肝機能障害、劇症肝炎、肝硬変、血小板減少症、急性膵炎、汎血球減少、ネフローゼ症候群、無顆粒球症、口内炎、再生不良性貧血、消化性潰瘍、膵炎、白血球減少、催不整脈、心筋梗塞、脱水症状など。その他:動悸、胸内苦悶、食欲低下、糖尿、吐き気、熱の上昇、嘔吐、アレルギー、貧血、色素沈着、下痢、脱毛、口内炎、眩暈、腹部膨満感、疲れ、下血、腹痛、便秘などが内服薬で生じることがあります。色素沈着、限局的な出血傾向、皮膚炎、痛み、変色、発赤、爪変形などが外皮用剤で生じることがあります。坐薬では下腹部痛や排泄部の不快感及び出血並びに痛み、下痢、嘔吐、吐き気、灼熱感、発赤などを引き起こすことがあります。

5-FUの注意点

塗布する際に手を使った場合、使用後綺麗に洗浄します。また、眼に薬が触れないよう慎重を要します。利用している間は血液検査が望まれます。これは重い副作用である骨髄機能抑制などが指摘されているためです。その他、極端な下痢や腹痛が見られれば速やかに医師へ報告し、使用を中止します。こちらは脱水症状や壊死性腸炎、出血性腸炎、虚血性腸炎などを招いている恐れがあるためです。

気をつけるべきケース

感染症の合併、水疱瘡、消化管出血、消化管潰瘍を認める場合。腎機能及び肝機能障害、心疾患、骨髄機能抑制を認める場合、若しくはこれらを過去に招いている場合。妊娠している女性。

利用できないケース

テガフール、ギメスタット、オタスタットカリウム配合剤を用いている場合。過去に5-FUを用いて重篤なアレルギーを招いている場合。