イソシアネート中毒

症状

慢性化したケースでアレルギー感作を一度引き起こすと、微量であっても喘息発作を招きます。これは臭いや刺激の感じられない濃度の低い状態を指しています。また4-ジイソシアネートが皮膚に接触すると水泡や発赤を生じます。一般に咳や呼吸困難、咽頭痛、鼻汁、胸部圧迫感などを発生させ、悪化すると気管支炎や化学性肺炎、更には肺水腫などを招きます。また目に接触すると激しい痛みを生じます。

原因

ポリウレタン樹脂といった領域でイソシアン酸のエステルが使用されます。これにはメチレンビスやトルエン-2、4-ジイソシアネート、4-フェニルイソシアネートといったジイソシアネート類が該当します。イソシアネート中毒の発生のメカニズムはアレルギー感作と考えられており、高度の皮膚粘膜刺激をもたらし、結果として皮膚炎などの皮膚症状や喘息などの呼吸器系症状を招きます。

治療法

慢性化した場合で且つアレルギーを招いているケースでは環境下からの離脱が重要となります。即ち、職業性であれば配置転換などが該当します。急性のものであれば、気管支拡張薬の投与や酸素吸入、或は人工呼吸などを要し、また、空気の汚染を認めない場所への移動も重要です。皮膚や目などに触れたケースでは、すぐに洗浄します。