ベリリウム中毒

症状

急性と慢性に分類され、前者では接触性皮膚炎や気管支炎、急性肺炎、咽頭炎、結膜炎、皮膚潰瘍などが出現します。近年ではあまり見られませんが、見通しも良好です。後者は数年の潜伏期を経て発症するものですが、初期段階では特にこれといった症状を示しません。主な徴候は瀰漫性間質性類上皮細胞性肉芽腫で肺に出現します。自覚症状を示さないことから、胸部X線にて発見されるケースが多く、その際、微小結節性陰影が認められます。進行すると心肺機能不全が認められ、肺線維症や肺気腫なども出現します。自然に治癒してしまうこともありますが、一般には見通しも悪くなります。尚、皮膚の創傷個所において慢性皮下肉芽腫が出現することもあり、非常に治り難いとされます。

原因

感作に起因するアレルギー性障害、臓器障害、直接刺激による病態からなり、合金製造、ベリリア時期、工業用酸化ベリリウム製造などの作業従事者にベリリウム中毒を見ることが多いとされます。尚、診断ではベリリウムに晒された履歴やX線、出現した症状、臓器や血液、尿に含有されるベリリウムなどが判断材料となります。また、識別の必要性がある疾患では、塵肺症、慢性過敏性肺炎、肺サルコイドーシスといったものがあります。

治療法

職業性由来のため、その場合、未然に防ぐ処置が重要となります。また症状の悪化が見られる際は、副腎皮質ホルモン薬が用いられます。通常、内科的保存療法が中心となります。