軟性下疳

症状

紅色丘疹が感染後数日で発症します。次第に潰瘍化若しくは膿疱を形成していきます。真ん中部分に膿苔を有する潰瘍は、触れると激しい痛みを生じますが、柔軟性があります。丘疹は下半身などに見られ、初期では病変も一箇所となっています。これが急激に広がったり、多発することがあり、いずれも自家接種に由来します。また、発症後数週間程度で鼠径リンパ節腫脹を見る症例もあり、その場合、片側性に生じ、痛みもあります。

原因

グラム陰性桿菌であり、軟性下疳菌(なんせいげかんきん)が原因菌となります。軟性下疳(なんせいげかん)は日本ではあまり見られません。多くが亜熱帯若しくは熱帯地方で発症します。

治療法

ST合剤、アモキシシリン、テトラサイクリンなどに対して多くの菌株は耐性を示します。そのため、エリスロマイシンやセフトリアキソン、アジスロマイシンなどが適用されます。診断は、基本的に臨床症状から行います。かつて、皮内反応を実施するため、軟性下疳菌ワクチンを利用する伊東反応が適用されていましたが、現在、実施されません。