ライム病

症状

局在期である一期、播種期である二期、慢性期である三期に分類されます。局在期では関節炎、発熱、筋肉痛、リンパ節腫脹などを認めます。マダニ感染後、数日ないし数週間かけて熱の上昇と共に慢性遊走性紅斑が見られます。播種期は感染後数ヶ月の期間であり、スピロヘータに起因する臓器病変が認められます。目の症状では虹彩炎や角膜炎、循環器症状では心膜炎や房室ブロックなどを生じます。皮膚症状ではボレリアリンパ球腫や多発性かつ二次性遊走性紅斑などが見られます。関節症状では移動性関節炎が見られ、時に慢性化します。また神経症状では髄膜炎や顔面神経麻痺などを生じます。慢性期は感染後数年の期間であり、慢性萎縮性肢端皮膚炎が見られます。慢性関節炎が見られ、腫脹した大関節に疼痛を随伴させます。また視神経に萎縮が認められ、慢性化した髄膜炎も見られます。皮膚には色素沈着が生じ、萎縮も見られます。

原因

スピロヘータに起因する人畜共通感染症であり、マダニによって仲立ちされるものをライム病と言います。日本ではシュルツェマダニによるものが多く、春から夏にかけて見られます。ただしボレリアに由来するライム病の発症はよく分かっていません。この病原体には毒素の生成は認められないため、組織障害を引き起こす要因はないとされます。その他、単核細胞浸潤、血管新生、滑膜細胞増殖、バンヌス形成が関節炎の組織に認められ、関節リウマチと非常に良く似ています。

治療法

アモキシシリン、ドキシサイクリン、セフトリアキソンといったものが用いられます。また第三世代セフェム系抗生物質が重症化したケースや難治例に対して適用されます。尚、第三世代セフェム系抗生物質ではセフトリアキソンやセフォタキシムといったものが使われます。