ウェーバークリスチャン病

症状

初期段階では小葉性脂肪組織における好中球浸潤が見られます。脂肪細胞の変性に随伴して特異なマクロファージが形成されます。これは空砲及び単核球を有するものであり、小血管内膜は肥厚していきます。また修復段階に入った炎症は瘢痕形成を伴います。その他、熱の上昇や筋肉痛、関節痛、肝腫、脾腫、腹痛、皮下結節といったものが認められます。皮下結節は初期段階で痛みを生じ紅斑を随伴させます。体幹及び四肢において多発し、中でも顔面頬、体幹、下肢において見られます。炎症は悪化と軽快を繰り返す経過を辿るため、時に皮膚面で損傷を残存させます。

原因

結節性脂肪組織炎は、壊死化する皮下脂肪組織における結節性の炎症を引き起こす疾患を総称するものであり、基礎疾患として全身性エリテマトーデス、膵癌、膵炎、薬物、外傷などが上げられますが、いずれも二次性に出現します。しかしウェーバークリスチャン病はこの基礎疾患がハッキリ分からない本態性のものを言います。本疾患は原因を特定できない有痛性且つ再発性の非化膿性疾患であり、全身性脂肪組織炎を招く病気です。

治療法

副腎皮質ステロイド薬が利用されます。特に臓器病変が併発したケースにおいて多量の副腎皮質ステロイドが使われます。改善が見られない場合や再燃する際には、免疫抑制薬が適用されます。これにはシクロスポリンやアザチオプリン、シクロホスファミドといったものが該当します。その他、血漿交換療法が行われることもあります。