症状
皮膚血管炎に起因するものでは紫斑や皮膚潰瘍、爪の周りに見られる点状梗塞、網状皮斑といったものを示します。多発単神経炎は神経に対する栄養血管に引き起こされる炎症であり、知覚が落ち、さる手や尖足といった症状を示します。多くは腓骨神経、尺骨及び正中神経に見られます。その他、筋肉の痛みや萎縮、或は筋力低下などを認めることも多く、さらには冠動脈などの梗塞から死に至る症例も見られます。
原因
免疫複合体による血管壁沈着が指摘されていますが、血管炎そのものの原因はハッキリ分かっていません。中でも免疫複合体を構築しやすくするIgGのリウマトイド因子の凝集が関わっているのではないかと指摘されています。また、血管内皮に存在する自己抗原への自己免疫応答やあらゆるサイトカインの役目などもその関与が示唆されています。悪性関節リウマチ(あくせいかんせつりうまち)は、関節リウマチを背景に高度の血管炎を主軸とした症状を示し、心膜炎や皮膚潰瘍といった様々な徴候を出現させます。
治療法
血漿交換は過粘稠度症候群やクリオグロブリン血症などに適用され、多発単神経炎の内、血管拡張薬、ステロイド薬の他、抗凝固療法などが適用されるものは紫斑や皮膚潰瘍、知覚低下、梗塞などを随伴させるケースとなります。また多発単神経炎の中でも臓器障害を随伴させる血管炎や運動障害を随伴する場合は、使用するステロイド量も増加させ、これにはパルス療法も入ります。更に抗凝固療法やケースによっては免疫抑制薬が適用されることもあります。