うっ滞性症候群

症状

嚢状、結節状に蛇行しながら広がる下肢浅在静脈を呈し、自覚症状を認めないものの見た目は青黒くなっています。高齢の女性で且つ肥満を随伴させる場合に多く認め、好発部位は下腿となります。静脈瘤が悪化して行くと多彩な自覚症状を招きます。疼痛、色素沈着、うっ滞性皮膚炎、浮腫、下腿のだるさなどを生じ、いずれは軽い外傷でも下腿において潰瘍形成を呈します。尚、下肢浅在静脈の異常は、小伏在静脈及び大伏在静脈などにおいて弁不全を生じることに由来します。

原因

血管の蛇行及び怒張を示す疾患であり、表在静脈おいて内圧上昇を招くことに起因します。これは、表在静脈過形成、長期に渡る立位、深在静脈狭窄及び閉塞、静脈弁機能不全、妊娠といったものに由来します。尚、うっ滞性症候群(うったいせいしょうこうぐん)は慢性静脈不全(まんせいじょうみゃくふぜん)とも呼ばれます。

治療法

ステロイド外用薬、血管拡張薬、抗ヒスタミン薬などが用いられます。また硬化療法や表在静脈抜去など外科的な治療が行われることもあります。その他、外傷や感染を避け、長時間に渡る起立及び歩行を避けます。更に弾性包帯の利用や下肢挙上なども心掛けます。尚、静脈造影は外科治療を実施する際に適用されます。また診断も静脈瘤の有無から簡単に行えます。