多形紅斑

症状

対称性に皮疹が生じるもので、足背、膝、肘、手背など四肢伸側関節部に見られます。境界のハッキリとした類円形ないし不整形の紅斑を凡そ二日程度で発生させます。開始は、浮腫性紅斑或は紅色丘疹となりますが、これが遠心性に広がっていきます。陥凹した真ん中を有する紅斑であり、虹彩状或は標的状になっています。新しいものと古いものが入り混じった皮疹であり、数日間多形を示します。糜爛が口腔粘膜に生じたり、水泡を形成することもあります。また、地図状に融合した皮疹も見ることがあります。多形紅斑(たけいこうはん)は浮腫性であることから多形滲出性紅斑(たけいしんしゅつせいこうはん)とも言われます。

原因

悪性腫瘍や薬剤、そして肺炎マイコプラズマや単純ヘルペスウイルスといった感染症などが原因となります。免疫複合体を血液中や組織内に認めることからⅢ型アレルギーの関与が指摘されていますが、Ⅳ型アレルギーの影響も示唆されています。

治療法

ステロイド外用薬、抗ヒスタミン薬、非ステロイド抗炎症薬、ヨードカリなどが用いられます。数週間で自然治癒に至りますが、再発を予防する意味でも病因をハッキリ特定させることも大切です。原因が感染症であれば、その治療を行い、中でもアシクロビル投与が単純ヘルペスウイルスに効果があるとされます。しかし、再燃する可能性も高くなっています。