血管性浮腫

症状

多彩な大きさの浮腫が限局性に見られ、数センチから十センチに及ぶものもあります。数時間ないし数週間継続して見られ、普通は痒みを感じません。境界はハッキリしておらず、体のどの部分にも発生します。特に口唇や眼瞼、陰部に多発すると言われています。また、鼻腔粘膜、消化管粘膜、舌咽頭部、気管支粘膜、そして心臓や腎臓、頭蓋内に発生することもあり、こうなると死に至るケースもあります。尚、血管性浮腫(けっかんせいふしゅ)は遺伝性のものと非遺伝性のものがあります。別名では、血管神経性浮腫(けっかんしんけいせいふしゅ)とも呼ばれます。

原因

遺伝的要因など、ヒスタミンが肥満細胞より放出されることによって浮腫が発生します。肥満細胞は皮下組織に若しくは真皮下層にありますが、ここで血管透過性が亢進するために生じます。遺伝に起因するものと、そうでないものに分類され、深在性蕁麻疹は、非遺伝性のものと言われています。遺伝性血管神経性浮腫は遺伝に起因して発生しますが、あまり見られません。常染色体優性遺伝し、C1エステラーゼインヒビターの先天性欠損に起因します。

治療法

遺伝性を原因とするものは、C1インアクチベーターやアンドロゲンの投与による治療方法がとられます。いずれもC1インヒビターを直接若しくは生成を増強する作用があります。一方、非遺伝性であれば蕁麻疹のそれと同様の治療方法となります。尚、遺伝性に起因するものは改善しにくい傾向にありますが、非遺伝性の場合、年齢を重ねることによって改善を示す傾向にあります。