好中球減少症

症状

急性と慢性に分けられ、前者では急激に発症します。熱の上昇が見られ、潰瘍が口などの周囲に発生し、痛みを随伴させます。後者の場合、発症は緩慢であり、数年かかって進行していくケースもあります。また重症化するケースも甚だしく好中球が減少した場合を除いて、あまり見られません。

原因

血中における好中球数が異常に減少する疾患を言います。通常、白血球中の五割前後が好中球から構成されています。この物質が感染から体を守っているわけですが、減少すると感染を招きやすくなり延いては死に至る確率も上昇させてしまいます。骨髄において好中球は生成されていますが、破壊されたり使われる量が多すぎると、骨髄で好中球生成が間に合わなくなり、好中球減少症(こうちゅうきゅうげんしょうしょう)を招きます。これには自己免疫疾患に由来し、好中球を壊す抗体が生成されることによって、骨髄で作られる好中球の生産が間に合わなくなるといったものが該当します。またある種の細菌や薬物、アレルギー疾患などによっても同様の現象が起こります。

治療法

骨髄移植は白血病や再生不良性貧血といった好中球減少症を引き起こすより重度な疾患を治療する目的で実施されるため、通常、本疾患そのものに対しては適用されません。原因と症状の程度によって治療方法も異なりますが、自己免疫反応に起因するものではコルチコステロイド薬が用いられます。また他の病気が起因している場合は、その元となる疾患を治療することで改善が見られるケースがあります。尚、ウイルス感染によって引き起こされる好中球減少症は一過性のものであり、感染症の治癒に伴って本疾患も改善します。