症状
毛包炎が硬結を随伴させる疾患であり、膿疱及び紅色小丘疹を出現させます。これらは毛孔に一致して見られ、圧痛、限局性の熱感、自発痛、発赤が顕著に見られるようになります。膿栓は膿疱が壊死するために発生し、次第に軟化した硬結を呈し、膿瘍を形成します。炎症は排膿によって劇的に軽快し、通常小さな瘢痕を残存させるものの数週間で治っていきます。これを「せつ」と言いますが、この状態が悪化し、周りの毛包を巻き込んで炎症を引き起こすと「よう」になります。ヨウの好発部位は皮膚緊張を高度に生じる部分である項背部、大腿などとなります。外観は、腫脹硬結、発赤を呈し、半球状に隆起しています。また、膿栓が多数、頂上に発生します。その他、倦怠感や疼痛、熱の上昇なども見られます。尚、本症は毛包炎(もうほうえん)から「セツ」を生じ、進行すると「ヨウ」を招きます。また面疔(めんちょう)は顔面に発生した「せつ」のことを言い、せつ腫症は、長期間多発したものや繰り返し発症するものを言います。この場合、基礎疾患となる糖尿病や免疫能低下を招く悪性腫瘍、全身衰弱などを背景に見るケースが多いと言われています。
原因
毛孔へ黄色ブドウ球菌が入り込むことで発症します。これによって毛包炎を引き起こしますが、重症化した症例では、その背景に糖尿病などが見られます。
治療法
波動を触れる場合は、切開或いは排膿による治療方法がとられます。基本的には抗菌薬が投与され、その際、原因菌に効果が認められる抗菌薬が選択されます。尚、鑑別を要する疾患では、化膿性汗腺炎や感染性表皮嚢腫などがあります。