症状
貧血が主軸となり、初期段階では疲労感を訴えます。また眩暈や呼吸困難、肌の蒼白、過敏といった貧血特有の症状を呈します。更に下痢やそれに伴う体重減少、舌が爛れて赤っぽくなり、味覚の機能も落ちてしまいます。葉酸はDNA合成のほか、正常赤血球を作り出すのに欠かせない成分であり、欠乏するとビタミンB12の症状と同様に貧血を呈します。
原因
野菜不足若しくは柑橘類の摂取不足、或はアルコール依存症に起因する栄養不足などが原因となります。体内で蓄積できる葉酸は微量であるため、摂取不足が継続すると数ヶ月程度で葉酸欠乏症(ようさんけつぼうしょう)を招きます。また妊娠及び授乳中は体内での葉酸利用度が上昇しているため、葉酸欠乏症を招きやすく、透析に関しても同様のことが言えます。更に、抗生物質や抗痙攣薬の利用、飲酒が過剰である場合なども欠乏症を招きます。そして潰瘍性大腸炎に適用されるスルファサラジンやメトトレキサートといった関節リウマチなどに適用される薬といったものも、葉酸の吸収率を落とします。尚、抗痙攣薬ではフェノバルビタール、フェニトインなどがあり、抗生物質ではST合剤などが該当します。
治療法
葉酸の投与が行われます。妊娠中の方が本疾患を招くと、先天性脊髄奇形を胎児に見ることがあるため、この場合、通常より量を増やしてサプリメントなどの形で摂取することが推奨されています。