糖尿病性網膜症

症状

初期段階では網膜内において一つ以上の出血若しくは毛細血管瘤が毛細血管に見られ、眼底写真では赤くなった部分が確認できます。この場合、視点の真ん中部分は見えているためあまり症状を自覚できませんが、出血を招いている個所においては見えなくなっています。以上を単純網膜症と言い、これが更に悪化して増殖網膜症に移行し、眼球内に血液が流入し出すと、急激に見えなくなります。こうなると視力が回復しません。これは出血に起因して瘢痕が形成されるためで、新生血管及び線維が増殖したことに由来します。薬によって出血を軽快させることで視力は一旦改善しますが、再発を何度も引き起こしているとやがて失明してしまいます。尚、糖尿病性網膜症(とうにょうびょうせいもうまくしょう)は、正常、単純網膜症、前増殖網膜症、増殖網膜症とその病期から分けられています。

原因

眼に障害を引き起こすとその四分の一は失明に至るといわれています。糖尿病に罹患した直後から網膜症を引き起こすケースはあまり見られませんが、数年経過すると大半の患者は目に異常を訴えるようになります。これは高血糖のために血管が損傷を受けやすくなっているためで、容易に破れてしまいます。また腎臓にも同様の現象が引き起こされやすくなりますが、こちらも毛細血管が腎臓において集合しているためです。従って、網膜症が引き起こされると、これに合併して糖尿病性腎症も招かれやすくなります。

治療法

単純網膜症においては血糖及び血圧管理に視点が置かれます。光凝固療法は、増殖型若しくは黄斑症を随伴しているケースにおいて適用されます。更に重症化して網膜剥離や硝子体出血が見られる場合は硝子体を除去する硝子体手術が実施されます。