ベーチェット病

症状

血管型、腸管型、神経型とあり、血管型は動脈瘤、血栓症、大動脈炎症候群などが出現します。腸管型では盲腸とその周辺に潰瘍を形成する傾向があります。神経型では、精神症状、髄膜炎、意識喪失などさまざまな症状を呈します。また、ベーチェット病(べーちぇっとびょう)では目の症状、口腔内の潰瘍、皮膚症状、陰部の潰瘍が特徴的なものとなっています。目の症状では虹彩毛様体及び網脈絡膜において炎症を再燃する傾向があり、ぶどう膜炎と言います。これによって視力低下をきたし、失明にいたることもあります。口腔内には有痛性の潰瘍が発生し、一旦治癒しますが、再び発生します。皮膚においても有痛性の結節性紅斑、血栓性静脈炎、発疹などが認められます。また陰部にも痛みを随伴させる潰瘍が生じます。更に関節炎も手足や肘などに発生します。

原因

HLA-B51を持つ人に発症率が高いことから、一つの病気としての認識が確立されています。かつては臨床像がさまざまであったことから症候群として扱われていた経緯があります。また好中球の働きのコントロールにHLA-B51遺伝子が関係していると考えられており、免疫系細胞に異常が認められます。ただし、発症原因はハッキリ解明されていません。シルクロード沿いでの発生率が高く、地中海沿岸から東アジアに渡って多発する傾向にあります。日本においては寒冷地に多く見られます。

治療法

ベーチェット病特有の治療方法は確立されていません。また全部の病態を改善させる効果的な治療方法も知られていません。従って、副腎皮質ステロイド薬や免疫抑制薬が主体となる治療方法がとられます。尚、目の症状に対してはインターフェロンαに有効性が指摘されています。またサリドマイドや抗TNF-αにも効果があるとの報告例が存在しています。