カポジ肉腫

症状

血管腫様丘疹或は紫褐色斑を粘膜や内臓、皮膚上に沢山発生させます。四肢、中でも足に多くみられ、徐々に中枢側へ達します。以後、突如として広がり、隆起性且つ硬化性結節を出現させます。つまり、カポジ肉腫(かぽじにくしゅ)は丘疹から隆起性局面、硬い結節といった経過を辿ります。悪化した症例ではリンパ節をはじめ、肺、骨、肝臓、消化器などに浸潤し、さまざまな臓器症状を呈します。その他、疼痛はリンパ浮腫を招いた際に高度となりますが、皮疹そのものにはあまり疼痛を認めません。

原因

免疫不全で良く知られるものは、ステロイド、免疫抑制薬の投与、白血病、エイズなどであり、これらを原因として発症します。また、HLA-DR5の影響も示唆されています。更に本症は地理的要因でも発症し、アフリカ型、古典型、エイズ型に分類されます。このうちアフリカ型と古典型の進行速度は緩やかであり、エイズでは急激になります。ヒトヘルペスウイルス八型感染が免疫不全状況下において併発すると、癌化が起こります。その細胞は原始間葉系細胞となりますが、詳細は分かっていません。

治療法

僅かに自然消退する症例もあります。多くの場合、肝臓及び消化管からの出血が死因となります。治療では、限局性病変のケースで外科的切除が実施されることもあります。通常、抗腫瘍薬と放射線照射の併用による治療方法がとられます。