汗孔角化症

症状

黒褐色丘疹が初発で、徐々に遠心性に広がっていきます。角化性皮疹は環状隆起を呈し、楕円形ないし円形をしています。真ん中部分はややへこみ、萎縮しています。顔面や体幹、四肢伸側などに多く見られ、慢性に経過し、改善することはありません。自覚症状はこれといったものはなく、悪化すると有棘細胞癌やBowen病(ボーエン病)を招いたりします。古典型、線状型、限局型、表在播種型、日光表在播種型、掌蹠播種型に分類されます。これらは皮疹の発生形態に由来するものです。古典型の皮疹は、二センチ程度の対側性のものが顔面や四肢末端に散らばって見られます。線状型では、線状及び帯状をした配列を認め、誕生時若しくは幼小児期に発生します。限局型は単発する大型皮疹が限局性に見られるものです。表在播種型は、多くの小丘疹が融合して、播種性に発生したものです。日光表在播種型は、四肢伸側など太陽の光が当たる部分に多く見られます。この場合、成人が対象となります。掌蹠播種型は、これらの部位に小丘疹が角化して沢山見られます。

原因

表皮クローンは異常角化を限局性に招くものであり、これが外傷や老化、日光などをきっかけにして汗孔角化症(かんこうかくかしょう)を発症させます。稀に常染色体優性遺伝します。尚、汗孔の言葉が入っていますが、汗孔とは関係ありません。

治療法

慢性でなかなか治癒しません。ビタミンA誘導体であるエトレチナートの内服や冷凍療法、電気凝固、皮膚剥削術、外科的切除などによる治療法がとられます。