後天性表皮水疱症

症状

水疱及び糜爛を機械的刺激に起因して発症するもので、掌蹠、肘、膝といった場所に見られます。治癒に至っても稗粒腫及び瘢痕を残存させることが多いと言われています。経過は、水疱性類天疱瘡と良く似たものや瘢痕形成を招くものがあります。診断の際、成人以降に発症していることが基準であり、また遺伝歴がないことも肝要です。更に免疫ブロット法や蛍光抗体法などが有効とされる診断方法であり、蛍光抗体法ではIMNaC1剥離皮膚を使います。

原因

表皮下水疱形成が、Ⅶ型コラーゲンへの自己抗体生成に起因して引き起こされます。Ⅶ型コラーゲンは真皮及び表皮を接合する分子となります。

治療法

シクロスポリンなどの免疫抑制薬やステロイド薬の内服による投与が行われます。また血漿交換療法などが行われることもあります。尚、指趾癒合や爪変形といった栄養障害型表皮性水疱症(えいようしょうがいがたひょうひせいすいほうしょう)と良く似た皮膚の症状を示すこともあり、この場合、進行例となります。また、アミロイドーシスや薬疹、天疱瘡或は水疱性類天疱瘡(すいほうせいるいてんぽうそう)、ポルフィリン症などとの識別を要します。これらはいずれも水疱を形成する疾患であり、後天性表皮水疱症(こうてんせいひょうひすいほうしょう)と類似します。