水疱性類天疱瘡

症状

強い疱膜を有する緊満性表皮下水疱が発生し浮腫性紅斑を随伴させるケースが多くなっています。痒みがあり、やや大型となります。若年層にも見られますが、多くは高齢者となります。粘膜侵襲は尋常性天疱瘡(じんじょうせいてんぽうそう)に比すると少なくなっています。合併症として内臓悪性腫瘍(ないぞうあくせいしゅよう)を発生させることもありますが、全身状態は概ね良いとされています。これは病変が基底膜部に認められることに由来します。

原因

BP180、BP230への自己抗体が生成されることが水疱性類天疱瘡(すいほうせいるいてんぽうそう)発症の原因となります。中でもNC16aのドメインへの自己抗体が重要であり、これはBP180蛋白に由来します。

治療法

なるべく早く離脱することが大切であり、薬物療法ではステロイド薬が用いられます。また、ニコチン酸アミドやテトラサイクリンが組み合わせて用いられたり、免疫抑制薬やDDSなども用いられることがあります。血漿交換療法は重症化した症例でステロイドと共に使われます。軽症例ではステロイドの外用薬だけで制御できることもあります。