皮膚クリプトコッカス症

症状

最初は丘疹やざ瘡様発疹が見られ、膿瘍を作ります。好発部位は頭部、顔面、頸部などで、多彩な皮疹を示します。これには、蜂窩織炎や硬化した皮下結節、潰瘍などがあげられます。尚、肉芽腫病変を呈する原発性のものでは、菌要素があまり見られません。これに対し、続発性のものは数多くの菌要素を呈し、ゼラチン様病変を招きます。炎症反応はあまり見られません。

原因

Cryptococcus neoformansが皮膚クリプトコッカス症(ひふくりぷとこっかすしょう)発症の原因となります。原発性と続発性のものに分類され、前者は直接的に皮膚外傷から侵入するものですが、健康であれば、あまり発症しません。後者は肺病変Cryptococcus neoformansを吸い込むことによって生じ、これが血行性に皮膚へ移動したものを言います。エイズ症状として出現することがあり、免疫不全患者に多く見られます。尚、Cryptococcus neoformansは自然界に広く分布していますが、中でも鳩の便に含まれていることで知られています。

治療法

イミタゾール系抗真菌薬が有効とされていますが、フルシトシンやアムホテリシンBなども用いられます。前者は内服、後者は点滴若しくは静注によって投与されます。