多発筋炎

症状

急激に発病したケースでは、熱の上昇や体重が減るといった症状が高頻度で認められます。また、関節痛や筋肉痛を随伴させたり、浮腫性紅斑を随伴させて発病することもあります。進行に伴って筋力低下も出現してきます。亜急性においてはこれらの症状を急性より遅れて発症することになります。慢性型では症状も比較的軽いため、緩慢に進行して筋症状に限定して出現する傾向があります。対称性の筋力低下を示し、骨盤帯及び肩甲帯における筋群にて異常を認めます。皮膚病変は紅斑性皮疹となります。

原因

遺伝的素因と共に様々な環境因子から自己免疫の仕組みによって多発筋炎(たはつきんえん)もしくは皮膚筋炎を引き起こすと考えられていますが、詳細は分かっていません。両者は同じ病気として扱われていますが、これは多発筋炎の内、独特の皮膚病変を随伴させることに由来します。しかし、筋炎を示さず、皮膚病変だけが出現するケースもあるため、両者を区別する考え方も存在しています。本疾患は多発筋炎及び皮膚筋炎の他、膠原病或は悪性腫瘍を随伴させたもの、封入体筋炎、小児に発症した場合などに分けられますが、その分類は多彩な病型となっています。

治療法

プレドニゾロンなど副腎皮質ステロイド療法が実施されます。また、ステロイドによる副作用が見られる場合やステロイド抵抗を示すケースなどでは免疫抑制薬が適用されます。その他、多量のガンマグロブリン点滴投与や血漿交換療法などにも効果があるとの報告例が存在しています。