痙性斜頸/頸部ジストニア

症状

痙性斜頸(けいせいしゃけい)の初期段階では振戦が首周囲筋に見られたり、頭部において不随意性の回転などが認められたりします。徐々に悪化していき、普通はこれらの症状を片側に示す傾向があります。また障害された筋肉部によって頭部の傾きや方向は異なります。初期においてはその症状も軽度ですが、次第に首に強い痛みを生じ、間欠的或いは連続的に継続します。更に痙攣を首以外でも顔面や手、顎などに発生させることもあります。

原因

機能不全が基底核内部に生じていることが原因と指摘されていますが、詳細は分かっていません。本症はジストニはの一形態であるため、別名では頸部ジストニア(けいぶじすとにあ)とも書かれます。痙攣及び収縮が間欠性或いは継続性であり、首周囲における筋肉に痛みを生じます。また頭部が左右どちらかに傾いてしまいます。男女比率では女性の方が多く、発症年齢も幅広くなっています。その他、眼筋の障害や脊椎上部における筋肉或いは骨に異常を来たしたために引き起こされるケースが小児に見られます。

治療法

原因が特定できないケースでは適切な治療方法を見出すことが出来ず痙攣の制御は困難とされます。ただし、鎮静薬や抗コリン作用薬などは痙攣に起因する痛みを軽減するのに有用とされています。他にもマッサージや電気刺激、温熱治療といった理学療法などがありますが、いずれも一過性の処置にしかならないと言われています。その他、ボツリヌス毒素や選択的神経切除術なども症状に応じて適用されることがあります。新生児では理学療法が中心となり、ケースによっては筋肉の回復を試みる手術が実施されます。