捻転ジストニア

症状

捻転ジストニア(ねんてんじすとにあ)は筋収縮を自身の意思でコントロールできないため、歩行や起立時に四肢の姿勢に異常をきたします。知能低下は見られず、安静時には筋緊張は低下し、筋肉の異常な動作は示しません。症状は様々であり、発症は成人のケースも見られますが、多くは十代と言われています。その他、ミオクローヌスや振戦などを併発しているケースもあります。MRIやCTにおいて脳に異常は認められず、診断の際は症候性ジストニアを除きます。

原因

淡蒼球、線条体、視床下核における作用が障害されることが原因と言われています。その一方で大脳皮質内の働きの障害が原因とする説もあります。本症は常染色体優性遺伝を示しますが、これはDYT1遺伝子と呼ばれる第九染色体長腕上の点変異がことの起こりとなります。亜急性に生じ誘因はないとされます。尚、症候性ジストニアは末梢神経障害、脊髄病変、脳腫瘍、脳血管障害及び奇形、脳炎、脳症、頭部外傷、低酸素脳症、脱髄性疾患、腰椎管狭窄症、そして代謝、心因、薬剤、中毒といったものが原因となります。

治療法

通常、抗コリン薬或いはジアゼパムの大量投与による治療方法が行われます。ただし、明らかな有効性は示されません。その他、淡蒼球刺激術が有意に作用するとする報告例や異常を示す筋肉へボツリヌス毒素Aの注射が有効とする指摘も存在しています。捻転ジストニアは薬物療法による治療法で通常の社会生活を長きに渡って継続することが可能と言われており、ケースによっては自然に改善が見られたり、反対に他の疾患から再発するケースもあります。発病は亜急性であるものの、障害の程度が一定に及ぶとその進行は遅滞するか、非進行を示します。