症状
突如として軟骨病変を出現させます。耳介、鼻、関節、咽頭、気管、肋骨の順に障害を引き起こし、発赤や腫脹、疼痛などを随伴させます。特に耳介においては耳の変形、発赤、腫脹は顕著になります。また多発性の関節炎が見られ、陥没した鼻根部が見られます。更に、眩暈や難聴、熱の上昇、虹彩炎、上強膜炎など軟骨炎症状を除くものも見られます。その他、シェーグレン症候群、全身性エリテマトーデス、関節リウマチ、悪性貧血、血管炎、悪性リンパ腫、骨髄異形成症候群、慢性骨髄性白血病、糖尿病、甲状腺炎、潰瘍性大腸炎などが先行して再発性多発軟骨炎(さいはつせいたはつなんこつえん)を発症するケースが多いとされます。
原因
軟骨細胞及び基質への自己免疫反応の影響が指摘されていますが、これはプロテオグリカンへの細胞性免疫異常及びタイプⅡコラーゲンへの抗体が見られることに由来します。本疾患は、体全域において軟骨病変を主軸にした多臓器障害の病気となります。自己免疫が関係していると考えられていますが、ハッキリとした原因は分かっていません。耳や咽頭、末梢関節、気管、鼻などに存在する軟骨において炎症及び破壊が見られ、発作性且つ進行性に発症します。HLA-DR4陽性を示す方に多く見られ、軟骨細胞の障害、その周りの組織の境界がハッキリせず、炎症性細胞浸潤、好酸性に影響を受ける軟骨基質が特徴となります。
治療法
軽いものでは非ステロイド性抗炎症薬の投与による治療方法がとられます。これで改善が見られないケースや重要な臓器病変のケースでは副腎皮質ステロイド薬が適用されます。これにはパルス療法も含まれ、その他免疫抑制薬が用いられることもあります。