症状
発熱、関節痛、リンパ節腫脹、皮疹が主な症状となります。また胃腸障害や疲労感を随伴させるケースもあります。通常、抗血清を注射してから二週間程度で発症します。軽いものでは症状も数日で消えていきますが、中には重症化して血管炎や心筋炎、腎炎といったものを随伴させて長引くケースもあります。皮疹は斑状丘疹や多形性紅斑、紫斑を見ることもありますが、普通は蕁麻疹となります。その他、軽い蛋白尿や血尿を見ることもあります。検査では免疫複合体増加、血清補体価低下、赤沈亢進、末梢白血球増多などを示します。
原因
ガス壊疽、蛇毒、ボツリヌス中毒、ジフテリア、破傷風などに対して抗血清を治療のために行います。その際、抗体が生成され、再度、抗血清を注射した場合、特有の症状を出現させますが、この病態を血清病(けっせいびょう)と言います。本疾患は、抗血清の使用量によって発症率も変化します。注射した周囲に腫脹や発赤を、血清病を発症する前に見ることが多々あります。
治療法
重症化したケースではステロイド療法が適用されます。使用量を早期に減らすと再発するケースも見られるため、慎重を要します。また、非ステロイド性抗炎症薬は熱の上昇や関節痛などに適用され、抗ヒスタミン薬は皮疹に使われます。尚、本疾患は他のリウマチ熱やウイルス感染症との識別を要します。診断では関節痛、リンパ節腫脹、皮疹、発熱を抗原投与後、三週間以内に示されること、腫脹及び発赤が注射した場所に見られることなどが基準となります。