薬物アレルギー

症状

多くの症例で皮膚症状が中心となっています。通常、薬疹と言われているものであり、蕁麻疹や湿疹、発疹、多形紅斑、光線過敏症、固定疹などが生じます。重症化した症例では中毒性表皮壊死症や皮膚粘膜眼症候群を見ることがあります。更に臓器症状を示すこともあり、こちらは肝障害や腎障害、血液障害、過敏性肺炎、過敏性血管炎、PIE症候群などが該当します。その他、熱の上昇やアナフィラキシーといった全身症状も見られます。

原因

もともと副作用を予測できる場合と患者の素因によって生じる予測不能の副作用があります。予測できないものが薬物過敏症と言われるものであり、特異体質、薬物アレルギー、遺伝性の代謝異常に起因する薬物不耐症に分類されます。薬物過敏症と薬物アレルギーは同一に扱われる傾向にありますが、本疾患は、薬理作用とは違う反応を示すものを指しています。これは薬及びその代謝産物に対する感作リンパ球或は特異抗体の免疫反応によって引き起こされるものとなります。

治療法

基本的に薬物アレルギーを引き起こしていると考えられる薬物の利用を停止します。軽いものではこれによって改善されます。また症状に応じて薬物療法が行われ、軽い皮膚症状では抗ヒスタミン薬が用いられます。中等度に達するとステロイド適応となります。更に臓器障害ではパルス療法を含むステロイド療法や血漿交換療法が行われることもあります。