IgA単独欠損症

症状

気道感染が何度も発症することもありますが、血液検査を実施した際、偶然IgA欠損が発見されることが多いと言われています。特にこれといった症状は示さず、見た目は健康そうに見えます。また自己免疫疾患である全身性エリテマトーデス、関節リウマチ、アトピー性疾患を随伴させることもあります。検査では血清免疫グロブリン値が測定され、IgG及びIgM値は正常であるものの、IgA値は低値を示します。尚、ヨーロッパでは七百分の一の確率で発症しますが、日本では二万分の一と低確率になります。

原因

IgAを作るB細胞への分化が障害されている疾患ですが、IgA単独欠損症の原因はハッキリ分かっていません。血液中のIgAのみ低値を示し、IgG及びIgM共に異常が認められない病態となります。大半は散発例となりますが、常染色体性遺伝するケースが一部認められます。

治療法

IgAの注入が行われますが、これには輸血や免疫グロブリン製剤の投与といったものがあります。これは血清中にIgAへの抗体が見られるためです。また、アナフィラキシー反応を示すこともあるため、注意を要します。ただし、本疾患では反復性の感染症を見なければ特に治療を行いません。そのため、見通しも良好であり、反復が見られなければ問題ないとされます。