鉄欠乏症

症状

貧血症状では疲労感、脱力感、顔面蒼白、眠気などを引き起こします。また物忘れや集中力低下をきたすこともあります。重症化したケースでは眩暈や呼吸困難、頭痛、耳鳴り、消化不良、心拍数上昇、胸痛などを引き起こし、時に心不全を見ることもあります。その他、嚥下障害や爪の変形、異食症が出現することもあります。

原因

血液を失うことで引き起こされるケースが非常に多く、特に消化管からの出血がこれに該当します。成人男性及び閉経後の女性はこれにあたり、閉経以前の女性では月経に起因します。消化管を除くと腎臓といった臓器からの出血も見られます。また子供では摂取する鉄分量が少ないために引き起こされますが、これは成長過程においてより多くの鉄が消費されるためです。中でも思春期を迎える女性は月経が訪れる頃でもあるため、摂取量に気をつけないと鉄欠乏症(てつけつぼうしょう)を招く可能性が上昇します。その他、妊婦においても同様であり、胎児に多くの鉄が利用されるため、注意を要します。

治療法

高度の貧血では輸血を実施しますが、成人の場合、出血の原因を特定して治療することが重要です。通常、鉄剤の投与による治療方法がとられます。尚、鉄の吸収はお茶やコーヒー、野菜繊維質などによって低下するため、鉄剤を利用する際はこれらの摂取を控えます。また摂取時間も食後二時間或は食前30分が非常に吸収率が高まるとされます。