ファンコニ症候群

症状

ファンコニ症候群(ふぁんこにしょうこうぐん)に関してくる病性骨変化、成長遅滞が小児に見られ、成人においては骨軟化症が現れることもあります。また筋力低下、尿濃縮機能の低下といったものも示され、悪化すると腎不全を惹起する恐れがあるとされます。

原因

正常化のもとでは再吸収されるものがこの病気では再吸収されず、近位尿細管の物質輸送系の障害に原因して、尿中にリン酸、糖、重炭酸イオン、アミノ酸が消失されることによって惹起する病気を言います。乳幼児及び成人に発症するものがあり、小児においてはシスチノーシスに続発するケースが多く、先天性に起因する比率が高いとされています。成人の場合、薬剤及び重金属、そしてウィルソン病などに起因する続発性のものが見られます。この病気はあまり見られることのないもので、近位尿細管の機能異常に由来する症候群で、Fanconi(ファンコニ症候群)と呼ばれます。

治療法

元となる病気があればその治療をし、くる病などが見られればビタミンDの投与を維持します。また、重炭酸ナトリウム(NaHCO3)によるアシドーシスの補正も必要です。この病気は治療しても治りませんが、制御することができます。腎組織及び骨への障害を現状より進行してしまうのを予防し、ケースによっては障害を部分的に治すことも可能になっています。尚、アシドーシスは血液が酸性に傾くもので、重炭酸ナトリウム(NaHCO3)を投与することで中和させます。