シスチン尿症

症状

シスチン尿症(しすちんにょうしょう)の初期段階では結石の発生した尿管において痛みが感じられます。これは尿管の痙攣に起因するものです。次第に腎機能がうまく作用しなくなり、発症部位には細菌感染も惹起されやすくなってしまいます。

原因

遺伝による要因が大きく、シスチン尿症は尿中にアミノ酸の一種であるシスチンが出てしまう症状です。尿細管の障害によるものですが、この病気の遺伝子を伝えられていても必ず発症するものではありません。尿管、膀胱、腎盂といった器官にシスチン結石が生成され、それによって尿路が塞がってしまいます。一型から三型に分類されていて、一型は家族に異常は認められずシスチン尿と同時に他の2塩基性アミノ酸尿が見られますが、経口シスチン負荷を行った際、血液中のその濃度に変化は見られません。ニ型は患者自身が一型と似た様なものになっており、患者自身より低い2塩基性アミノ酸尿がその家族に認められます。三型は二型と似たようなものになっていますが、経口シスチン負荷を行うと血液中のその濃度が上昇するとされます。尚、二塩基性アミノ酸では、シスチンの他アルギニン、リジン、オルニチンといったものがあります。

治療法

水分の補給が重要で、これによって尿量を増加させシスチン濃度を減少させます。通常二百五十ミリグラム/リットル以下の尿中シスチン濃度を目安にします。またアルカリ傾向にすることでシスチンは可溶性に変化するためアルカリ薬(重炭酸ナトリウム及びクエン酸カリウム)を利用し7.5から8程度に尿pHを調整します。更にDペニシラミンによって結石発生を防ぐ手段もありますが、副作用が認められているため最終的に利用する治療法となります。何度も再発されるケースにおいてカプトプリル、ペニシラミン、チオプロニンといった薬剤が利用されるケースもあります。いずれもシスチンを溶解する働きを有します。尚、就寝中は結石を発生させやすい傾向にあり、寝る前に水分を摂ることが薦められています。